営業資料

相手に受け止めてもらえる企画書・提案書の書き方

まずは、以下のチェックシートに該当するものがあればチェックしてください。


□ 提案書や企画書を書くとき、まずパソコンに向かう。そして書き始めるまでに時間がかかる


□ 書き始めは○○御中、日時、自分の名前、そしてタイトルを書き始める


□ 企画書や提案書は1枚では物足りないと思う。できるだけ詳しく書き3~4枚が妥当だと思う


□ 企画書や提案書は、持参した際に見てもらう相手担当者のことを第一に考えながら書いている


□ 企画書や提案書は、相手にとってメリットとなることを推測し、そのことを明記している


□ 記述する内容に実績を書きたいが、実績がないために架空の内容を書いている



さて、いくつチェックが入りましたか?


実は、上記すべての項目は企画書・提案書を書くときにしてはならないことなのです。

このことを理解すれば、今までの企画書の書き方とは全然違うものになるはずです。

順番に説明いたしましょう。


1.企画書や提案書を書くとき、まずパソコンに向かう。そして書き始めるまでに時間がかかる


これがなぜいけないかと言うと、企画書・提案書というのは自分の頭の中で整理できたものの集大成であるべきです。皆さんは完璧に頭の中で整理できていますか?


私の場合、どのケースにおいても頭の中だけで整理されていることは滅多にありません。

まずは手書きで、しかも新聞広告の裏紙とかカレンダーの裏紙とかに思いついたことを書き出します。

そして消しゴムは使わずに、紙全体が真っ黒になるまで図でもって企画・提案のベースを作ります。

書き出したキーワードを○で囲み、そして矢印や波線、※印などを使って表現してみます。

個人的にはカレンダーの裏紙が一番いいですね。大は小を兼ねますから。

このカレンダーの裏紙が、実は企画書・提案書の設計図になるのです。


「そのカレンダーの裏に書くのにも、何から書いたらいいのかわからないです」


私も最初はそうでした。そして皆さんも同じ経験はあるでしょう。

書けない人はあきらめずに、次の訓練をしてください。


“自分の人生でやりたいことを100個あげる”これを実践してみてください。


20~30個までは、すぐに列挙できますが、それ以降がなかなかでません。

そして、この100個列挙ができたら、今度は“自分の仕事でやりたいことを100個挙げる”をしてください。列挙する内容を自分の仕事に絞り込みます。どうでしょう? 難しくありませんか?

これはイマジネーションを膨らますための訓練です。

想像力を養わないと企画・提案は難しいでしょう。


2.書き始めは○○御中、日時、自分の名前、そしてタイトルを書き始める

このパターンに落ちて困っている人が多いです。

タイトルを書こう、決めようとして迷っているのです。

先ほども述べましたが、内容がまとまっていないのに、どうしてそのタイトルが決まるのでしょうか?

頭の中だけでまとまった内容は、実はいい加減なものだったりします。

色々と紙に書いて、それらを眺めながらタイトルを決めましょう。そうすると、そのタイトルは活きたタイトルになるはずです。

まさか、「パーソナルカラー診断のご提案」「セラピーのご提案」なんてタイトルじゃないですよね?

タイトルは飾りではありません。しっかり内容を設計すれば、必ずタイトルは変わります!


3.企画書や提案書は1枚では物足らないと思う。できるだけ詳しく書き3~4枚が妥当だと思う

これもよくある質問です。「何枚が一番妥当なのでしょうか?」とよく聞かれます。

答えるときに、まず私は「ケース・バイ・ケースです」と言います。

そうすると、相談された方は困った顔をします。 私にハッキリとした答えを求めているようです。

そうなると、私は必ず次のセリフを言います。

「私が常に目指している企画書・提案書はA4サイズで一枚ものです」と。

A4一枚でまとまった企画書・提案書はシンプルでキレイ。そしてわかりやすいものです。

当然のことですが、内容がまったく薄くてメモ書きのような一枚ものは駄目ですが...


4.企画書や提案書は、持参した際に見てもらう相手担当者のことを第一に考えながら書いている

さて、これはどこがいけないと思いますか? 駄目ということはないですよね。

少し質問が悪いかもしれませんが、ひっかけ問題のようなものです。

“相手担当者のことを第一に”というところです。

私が言いたいことは、“実際に決裁する人のことを第一に”ということです。

会社には稟議があります。稟議という言葉を使わない、どんなに小さな会社でも何か事を決めるのに一人単独で決めることは少ないです。

私の事務所でも、必要な備品や消耗品を購入するときには、私よりもセンスのある女性スタッフに聞いて任せることが多いです。

提案書という紙で提出することは、提出した会社でどういう現象が起こるのか考えてみてください。

紙は一人歩きをします。実際に決済権がある担当者でも「こういう女性が営業に来たのだけど、僕はやっぱり男だから良くわかったようでわからないですわ。君ならどう思う?」と社内の女性社員に問うことも多いでしょう。そのときに紙(提案書)は女性社員に渡され、移動します。

また、担当者が十分理解してくれたとしても、その担当者が今度は社長を説得しなければならない場合があります。これが稟議です。そのときに鍵となるのは提案書です。

社長が提案書にきめ細かく目を通してもらえる確率はどれだけだと思いますか?

こういう場合は、最悪を考えて「社長はザッと目を通すだけ」と考えるべきですよね。

そうなると、社長に見てもらうことを考えた企画書なのかそうでないのかの違いが出てきます。

社長に稟議しやすい提案書であると担当者は喜びます。

中学や高校生の頃、欲しかった高価なものを親にねだったことを思い出してください。

お店でもらったパンフレット、雑誌で紹介されている記事、いろんなものを親に見せて説得した経験はないですか? もしかしたら、学生の頃よりもご主人や彼氏におねだりするときを思い出したほうが早いかもしれません(笑)もし、雑誌の記事で「これは○○にも役に立つ! 夫婦で使える××!」なんて書いてあれば嬉しい限りですよね。その記事を見せたら説得力がアップします。

企業の広告・広報戦略はスゴイものです。

これと同じ手を企画書・提案書に使うということです。


5.企画書や提案書は、相手にとってメリットとなることを推測し、そのことを明記している

これも何が悪いと思いますか?

先ほど4で説明した内容を考えると「いろんな人にとってのメリットを書けばいいんだ!」となります。

4の事項で説明した内容はたとえ話であり、例です。

「相手担当者だけを考えるのではなくて、周りの人々も常に意識する」ということが私の伝えたいことであり、決して“メリットを記述すること”が周りの人々を説得することに繋がりません。

では、どうしてメリットを書いたら駄目なのでしょうか?

厳密に言うと、“メリットを書いたら駄目”ではなく、“メリットに触れる書き方にとどめる”ということです。問題の中心は、相手にもプライドがあるということです。

逆の立場で想像してみてください。

セミナーに参加されている方々は、何かしらプロフェッショナルな分野に携わっています。

そのプロの世界のことを、さも分かったようなことが記載されているとどう思いますか?


プライドが高い業界ではメリットに触れるだけでも機嫌を損いかねません。

「ホテルの部長クラスの方と知り合って提案書を書いているのですが、やはりホテルにとってのメリットも書いたほうがいいですよね」と相談されました。

私は否定しました。ホテル業界、ホテルに携わっている人はプライド・誇りを持っています。

そのような業界に対しては十分に気を遣ってください。

先ほども申しましたが、紙は一人歩きをします。友人がホテルに勤めていてコネクションを作ってくれたとしても、提案書は友人を離れてどこに行くか分かりません。

プライドに触れてしまうと友人に迷惑をかけることにもなりかねません。


※ただし、メリットをはっきりと明記したほうが良い場合もあります。

 

私の経験では、自ら企画することよりも業者に依頼する場合が多い、団体や官公庁、学校などです。

 

パターンを探ればきりがありませんが、ここではこれを基本として相手メリットを記述することは当たり前と思わず注意することに留めておきます。


6.記述する内容に実績を書きたいが、実績がないために架空の内容を書いている

人間、嘘をつくことはいけません。誰しも分かっていることですが、大人になると嘘はつかずとも話しを大きくしたり、おひれはひれが付きます。この延長で架空の内容が生まれます。

ある程度の見栄は必要だと思いますが、架空はマイナスに繋がります。

誰しも自分で事業をやりはじめると背伸びをしてしまいます。背伸びは良きプレッシャーになる程度でとどめて欲しいです。

「では、嘘をつかずにどうやって実績を書いたらいいの?」

オススメは、実績を書こうとせずテストケースをすぐに実行して、マーケティングを合わせて自分なりの分析を書くことです。わかりにくいでしょうか?

具体的例を申し上げましょう。


「平成20年4月から9月の半年において、対個人の○○サービスを11回実施いたしました。

 内訳は男性4名女性7名。年齢層はすべて30後半。サービス実施後のアンケートでは、受けたサービスはこれからのオフタイムに「大いに役に立つ」と答えた人が10名でした。

サンプルとしては少ないので信憑性を訴えることはできませんが、私見として手ごたえをかなり感じています。主婦向けの雑誌○○8月号にて「特集:×××」とピックアップされています。」


こういった文章を実績の代わりに載せてはいかがですか?

表現を少し変えただけで、実際は半年間にて家族、友人、知人に声をかけてテストランした内容です。

合わせて、専門学校などで卒業時に課された内容も合わせても良いかもしれません。


以上、やってはいけないことを説明しました。

これで、今までとはだいぶ違うものになるはずです。


次に、ビジネスフォームについて話をします。

「ビジネス文章を書くときには挨拶分からしてどうしていいかわからない」と最初は戸惑うでしょう。

安心してください。私も同じ思いをずっとしていました。

簡単に申し上げます。2枚用意することです。1枚は以下のとおりです



○○○○株式会社

 □□ □□様


平成○年○月○日

フィティンデザイン事務所

   松尾 和馬


御社向けご提案について


XXXご挨拶文章XXX

さっそくではございますが、弊社が行いますサービスの提案を別紙にて述べさせていただきました。

どうか、ご検討の程よろしくお願いいたします。


提案書

   ・タイトルxxx ○枚

添付資料

   ・タイトルxxx ○枚


以上



ご挨拶は手短で良いです。通常はこういったスタイルで問題はないはずです。

巷のビジネス文書では、色々なフォームがありますし、それらを使ったほうがよりカッコよくしっかりした感じはしますが、必要事項さえ欠かさず記述すれば、フォームは気にする必要はないと思います。 そして、この挨拶文章とは別に提案書を用意します。

提案書は最初からタイトル、内容と書き込まれたフォームで良いです。


松尾和馬matsuo@fitin-color.jp


15年続いた新潮社のロングキャンペーン「yonda」の企画書の原稿を見ることができます。企画書作りにも、とても参考になる一冊です。

講師プロフィール
松尾和馬
松尾和馬
プログラマー・システムエンジニア技師として富士通関連の会社に勤務、のち知人と会社設立、会社役員として数年経験したのち独立する。
中小企業の情報分野の顧問サービスを展開、またカラー関係分野に携わり個人自営業としての経営・営業・広報の相談ごとを多く受ける。
資格としてはシステムアドミニストレーターを所持。
また、家族の経営する会社の経理業務を大学在学中に携わったため、資格はないが簿記・経理には精通。
新事業など情報戦略のセミナー講師、パソコン講師の経験豊富。
山口県出身 神戸市在住 昭和42年生まれ 趣味は音楽
セミナー依頼・HP作成依頼
TEL:078-762-8874
matsuo@fitin-color.jp
http://www.fitin-color.jp